闇恋愛

庶民地域のカフェに座っていると、話しかけられることがままありますが、

内容は高確率で似ています。

一、珍しい国の友達がほしい。

二、パソコン等の修理をやってほしい(アジア人だから出来ると思うらしい)

そして、三つ目くらいに来るのが、恋愛相談である。

 

恋愛といっても、ちょっと普通とは内容が違います。

 

きちんと「リアル」彼女がいる人がほとんどですが、チュニジア人は外国人に興味津々。

でも、チュニスに住んでいる外国人女の子はもうほとんど既に彼氏がいるか、

チュニジア人との恋愛をしないかなので、それはもう、外国人に興味のある男があまっている。

 

そんな彼らが何をするかというと、もっぱらFacebook恋愛。

Facebookを出会い系として使い、ランダムで外国の女の子を探し出し、

Google翻訳でネット上会話を繰り広げます。

 

時に理解できないことがあるので、英語の分かりそうな外国人を見つけると、

女の子ゲットに必死の彼らは

「これなんて書いてあるの?」

と聞いてくるのです。

 

何度かどれどれ、と見た経験がありますが、どれもこれも、多分フェイクのアカウントで、

内容と言っていいほど内容のない悲しいメッセージのやりとり。

何をしている、今からコーヒーを飲む、など、何が楽しくてこんなことするんだろうと不思議になる。

それを「ガールフレンド」と呼ぶ彼らについても、悲しくなる。

 

一番ひどいな、と思ったのは、パン屋の若いおにいちゃんの、アメリカ人「ガールフレンド」

もちろん現実で会ったことはなく、去年の夏にチュニジアに来ることになっていた彼女は、

メッセージを見た感じ、どうもアメリカ人の英語ではない。

 

これ、何て意味?と見せてくれたメッセージ、それに連なる会話を良く見ると、

「私、これからディナーをして、シャワーして寝るところ」

みたいなことが書いてあり、ざっと時差を計算すると、アメリカはそのころ真昼間。

昼からディナーして寝る変な英語のアメリカ人…

それと嬉しそうにチャットをする彼に、時間おかしくない?とはいえなかった。

 

こぎれいで感じのいいおにいちゃんなのに、こんな不毛な恋愛をしているなんて、心底悲しくなった。