JCC、映画館は動物園

チュニスでは毎年この時期、文化イベントが盛んになります。

音楽とか映画とか、そういうの。JCCという映画祭は格安で映画が見れるイベントで、大人気です。

 

私はここに来た年はこの映画祭JCCの存在を知らず、2年目からは夜の仕事になったので行くことができなかった。

今年は土曜日に誘ってくれた友達がいて、The Squareというスウェーデンの映画を見に行くことができました。

でも、多分あの映画館にはもう行かないだろう。

 

ちょうど行く前に、院の授業で教授がポロっと

「チュニスの映画館はひどい。10分で耐えられなくなってでちゃった。」

ということを言っており、さてどういうことだろう、と思っていたが、今ならもう本当に死ぬほどわかる。

ブルギバ通りのコリセという映画館だった。前日に買っておいたチケットは3DT。30分前に入場する。

思ったよりも大きくきれい。

「思ったよりいいじゃん」

と私、でも友達は苦笑いで、

「まぁ、始まったらわかるから…」

となんか気まずそう。

 

観客はまばらながら、21時15分ぴったりに上映開始されました、ここまではよかった。

 

まず、遅刻が多い。2分おきくらいに新しい観客が次々に入ってきて光がちらつく。

しかもお構いなく前の方で席選びするので目障り。

開始早々集中できない。

序盤が過ぎるとあちこちでおしゃべりが続出、それに過剰に反応する人たちが、

「シーッ!!!シーッ!!!!!!!」

とシーの合戦を始める。

それが面白くなった人たちが、誰もしゃべってないのにシーッをするので、

変なタイミングで変なシーッが入ってきてとてもイラつく。

 

映画はストーリーがわかりやすいものでなく、途中退場者も続出。

生き残りはそれなりに映画に引き込まれていった、と思いきや、

しぶとくずっと喋ってるグループがいて、ここでほかの観客ブチギレ

「いい加減にしろ!」

「だまれケダモノが!」(これ本当にそういった)

と叫び合う(最悪)

目の前では老夫婦がスマホをいじり、ぴかぴかが煩わしいし、何も集中できない

映画に集中したかったであろう斜め前のお兄さんは、外に出たグループがドア付近で爆笑し始めたあたりで

完全にキレた様子で退出。

 

私と友人も最後まで残ったものの、大変不満の残る鑑賞となってしまった

運転手嫌いのためタクシーにも乗れないナイーヴな友人は

「まぁ、今日はまだマシだったと言ってもいい」

とこぼす。

この一言に私は、少なくともコリセで映画をみることはもうないだろうな…と思ったのだった。

映画館というより、動物園です。