中国人学生のコミュニティ

アフリカ各地で活躍していらっしゃるビジネスの方や、海外の経験がある方は、結構口をそろえて

「この国には中華料理店がない!」

とおっしゃいますね。私も常にそう思ってます。

マリから出張で来ていた中国人に道で話しかけられ、一緒にご飯した時も、

「全然中華ないね!」

と言われたので、中国人ですら不思議に思っているようです。(マリにはたくさんあるらしい)

最近は中国からの観光客も増え、ラマルサに新しい中華の店が2店ほどできたようですが、やはり高級路線でなかなか手が出ない。

安くて早くて上手い世界各国の中華が大変うらやましい。

この国には、大きな中国人のコミュニティがないんだ、と、そう思っていました。

 

ところが、最近大学に通い始めて、意外な発見があった。

チュニスの外大周辺に、若い中国人がたくさんいるではないか。

毎日のように見かけるようになった彼ら、いったいなぜ他のところでは見かけないんだろう?何をしているんだろう?

 

授業の合間に食事をしていたら、たまたま席が近くなった中国人が話しかけてきた。

とてもフレンドリーで英語が達者なWくん。すぐ仲良くなり、中国語のわかるチュニジア人の友達を紹介しがてら、

外大の中国人コミュニティが何をしているのか聞いた。

 

中国の大学はチュニスの外大と提携を組んでおり、様々な大学からなんと毎年30人の学生が外大に送られているのだそう。

1年のプログラムで、学費は2000DT(9万円くらい)。寮となる家も完備されており、それは月に150ドル程度で別払い。

これは交換プログラムなので、年に数人中国語学科のチュニジア人学生が、中国に行くことができます。

チュニジア人の留学はフルサポートなので、おそらく中国人30人がそれぞれ払った2000DTで賄えるシステムなのでしょう。

上手くできている。

 

ところで、なんでこんだけ学生がいるのに、町では見かけないの?と聞くとWくんは

「他の学生は怖がって学校と家とカルフールを行き来するだけ。」

と笑っている。彼も、私たちが誘うようになってセンターに出始めたけれど、

「危ないって聞いてたから、これなかった!」

と豪語していました。

中国人用のプログラムは一般のアラビア語科とは別なので、中国人だけ15人ずつ2クラスを作って、

アラビア語を勉強しているそう。なので、現地の人や在住外国人と交わる機会は圧倒的に少ないんだそうです。

Wくんみたいに交わるタイプはとても珍しいみたい。

Wくんと中国語の先生、言語交換に励む

 

ブルギバスクールの韓国人の多さは有名ですが、実は台湾人、香港人も少なからずおり、ザイトゥーナ大のイスラム学にはインドネシアからの学生がいるとも聞きます。

このところ大変さみしくなった日本人のぴちぴち学生コミュニティ、はやめの復活を期待です!

私が来たときは5人以上もいたんですよ、日本の外大の先生、送ってください