チュニジアとゆとり

チュニスでは今の住まいを含め計4か所移動し続けてまいりましたが、近隣に小中高がないのは初めてであります。

別段子供が苦手というわけでもない私、意識してそういう場所を選んだわけではないですが、隣に高校があったバーブ・ハドラの住まいに比べ、緊張感が大分少なくなったと思っています。

まだまだ若年層の厚い国なだけ、街中で出くわす中には10代の子が多く、制服がよく目につくし、あちらも珍しいアジア人がいるものだから、目の前を通ればやっぱりほっといてはくれない。

時には10人近い若者に囲まれ、逃げるのも無視するのもやな感じだし、挨拶されたら返すは返す。

アジア人が言葉を発するというだけでも面白いのに、チュニジア語を使おうものなら、

それはもうワラっと寄ってきて、いろいろ質問に答えなきゃいけないので、自然と高校生の塊をなるたけ避け避け道を歩くようになっていました。それが今では、あまり意識せずにすいすい歩けるようになったというだけ。

 

一方、私の受け持つ日本語学習者で最も多いのもこの高校生とちょっと上の大学生。日本語を学ぼうという考えにいたる高校生は、ピロット(頭いい子が通う学校)の子などが大半で本当に優秀で、しっかりしていてお利口タイプであるし、まさにチュニジアの新世代という感じで英語もペラペラ。

ITの影響はここでもすさまじく、50のシーシャのおじちゃんよりもチュニジア外のことに興味を持ち、外国語を使って良く調べ、いろんなことに意見があり、自分が16の時と比べると何百倍も物を知っている。難しそうな物理のテスト勉強をしながら、校外で日本語の授業もこなす男子などがいるわけですよ。

ただこういう子達はおとなしいのか、町ではあまり見かけないような気もするし、チュニジア人にとっては素行の悪い子の行動が際立って見えるよう。

ブルギバスクールでも、今年英語を習いに来てる高校生たちは目に余るほどうるさく、決して気持ちがいいとは言えない口調で話している。

年齢にして大体16歳~25歳のことを、

『家庭教育がなくマナーのない世代』とか『素行が悪くて尊敬のかけらもない』とか言っているのを、本当によく耳にする。

ちょうど日本のゆとり世代が揶揄されるのとよく似ている。(私もゆとり)

 

チュニジアについても私は革命後にきたポッと出なので判断しようがありませんが、

はたしてこれは、古代から繰り返される上の世代から下の世代への戯言なのでしょうか、それとも高校生たちは本当に、素行が悪くなっているのかなぁ。