フランス人用モラトリアムの地みたいな
何を隠そう私の家には居候がいる。私が契約など全部やっているし、同居人ではなく居候君として認識している。
彼は11月にやってきたフランス人インターン生。チュニジアでインターンというと何をしているのだと思う人もいるかもしれない。
私もなんとなくフランスの若い人多いなとは思っていたけれど、彼らが何をしているのかは、居候君が来るまで知らなかった。
居候君は私の家の目と鼻の先にあるオンラインコミュニケーション(みたいな)の会社で雑用インターンをしている(というかしていた)。
8か月のミッションで、こういった若い人材を世界の適当な場所に送ってちょこちょこ仕事をする、サービス・シビックというシステムの枠組みらしい。
青年協力隊とちょっと似ているかもれないけれど、もっとゆるそうな感じである。
チュニジアにはこのサービス・シビックで来ているフランス人が多くいて、そのほとんどが30台以下。
居候君は職場が合わず途中退職、今月で滞在が終わるため、今は無職、有り余る時間を利用してどんどんサービス・シビック仲間を連れてくるのだけど、話を聞くに
「2時間働けばよい」
「仮病で休みまくっている」
「楽である」
とみな口々に言う。しかもお給料もそれなりに出ており、まさに若者のモラトリアムにぴったりなのでございます。
みんなあまりに暇であるからか、話し出すとだら、だら、だら、と止まらなく、居候君の生活リズムからみるに、
毎晩どっかのフランス人用フラットで飲み明かし(朝帰りもおおい)、週末は車を借りていろんなところに行っている。
居候君は
「チュニジアの生活のリズムがすごく気に入って、友達もみんないい人だしもっとこの国にいたい!」
というけど
いや君、そんだけ楽にしてたら、そりゃそうだわ(笑)
ちゃんと有給もあたえられてるんですよ、すごいでしょ。
給料はチュニジアの平均の3~4倍。
居候君いわく、フランス人なら、30歳になるまでそんなふうにのらりくらり暮らしていくことは全然可能、だとか。
最近彼の代わりに来た女の子は
「モロッコではね、本当に仕事がなかったから10か月ずっとお金もらいながら旅行してたかんじ!」
「チュニジアはちょっと時間に厳しそうでめんどくさい」
といいます。
……
フランス旧植民地、しっかりモラトリアムにぴったりの地として使われているなぁと思う。