ライカちゃん
コーランのどっかに汚い動物として扱われてるらしく、イスラム世界で嫌われがちのわんちゃん。
チュニジアも割と野良のわんちゃんがいますが、中心街では特に冷遇されているように思います。
攻撃的な野良はあまりいません。インドのわんちゃんたちみたいに、9割は日向でボーっとしているような子たち。
時に子供たちに虐められるからか、人を見ても寄ってこない。農家に住んでいるHくんは
「汚いから嫌い。よく処分する。」
とも言っていた。動物好きの人にはちょいキツイ国だと思います。
そんな中にも優しいおっちゃんらもたくさんいて、餌付けされているワンちゃん達も多い。
バーブ・ハドラのガソリンスタンドには、3世代にわたりそうな野良家族が住んでいる。
意地悪な人にけられるのを恐れてか、おっちゃんたちがちゃんと廃車の下に匿っているのです。
野良犬を触るような真似、私はしない…とは実は言えない。
旧フランス語学院前、リベルテ通りのど真ん中に住む半野良のライカちゃんがお気に入りなのである。
ライカちゃんは、現在取り壊し中の旧フランス語学院で雨風をしのいで、歩道にひょっこり現れては
通行人に愛想を振りまく。この辺に出没するスナフキンみたいなのっぽおじさん(この人も半ホームレス風)に大変かわいがられ、
人間慣れしているのです。隣のカフェ客にも気に入られ、よくなでなでされている。
カフェの人に聞けば
「こいつはライカというんだ。」
立派に名前まであるのです。
ライカちゃんは猫とも仲が良い。かごをもって前を通るたび、猫とライカちゃんが一緒になって追っかけてくる。
かごをひっくり返して、
「ほら、えさはないんだよ」
といっても、あきらめずにずっとかごを嗅いでいる姿などかわいい。
私とライカの戯れを見た85歳のアメリカおじいちゃん、
「君の新しい友達だね」
とうれしそう。聞けばアメリカおじいちゃん、昔は神戸によく鋼鉄を買いに行っていたそうで、今はロンドンに家があり、
ロンドンの冬はつらいのでチュニジアで過ごし、猫の餌付けをしているのだとか。
ライカちゃんが他の犬と違い人によって行く姿を見て目を丸くしていたのでスナフキンおじさんのことをいうと
「それはいいことだ」
とまたうれしそうだった。
私はこのおじいちゃんの生活がうらやましいと思った。
ラファイエット界隈に、動物と変なおじさんコミュニティ有り