怪しいガソリン

ルアージュの柔軟なタイムスケジュールが好きです。思い立った時に好きなところに行ける。

その代わり、荒い運転手に当たった時は、命の覚悟も必要です。

できるだけこまめな休憩を提案するのは大事でしょう。

 

ガフサから上がるのにもルアージュを使いました。温厚な運転手で運転も上手かったですが、車にガタが来ていて

何もない大通りで止まってしまいました。

どっかが故障したらしく、車の中から何か取り出して手荒く

「はぁぁっ」

とか言いながら直す運転手氏。

大丈夫なのでしょうか?!

ここは本当に、誰も助けてくれなさそうです。

こういうときチュニジアの人って妙に落ち着いてるといいますか、

お客を車内に取り残して、特に謝るなどのことはなしに、ひたすら黙々と修理にいそしむおじちゃん。

不思議とこちらも、まぁ大丈夫なのかなぁ。と思ってきます。

 

しばらくすると運転手氏、さぁもう大丈夫だ、と言って乗り込む。

助手席に座る私はシートベルトを握る手が汗ばむ。

このシートベルトは警察にしょっ引かれないためのハリボテで、これも半分壊れているのです。

 

この修理地点からそう遠くないガソリンスタンドで、ちょっと休憩することになりましたが、

果たしてこれは、本当にガソリンスタンドなのだろうか??

 

灯油タンクだけがぶら下がる道端のガソスタ。

シェルでもない。トータルでもない。このガソスタは何なんだろう。

リ●アからやってきた、怪しいガソリンなのではないだろうか。

 

運転手氏は何事もなかったように、5分もするとまたさあ行くぞ、という。

なぜか私にコーヒーを買ってくれる運転手氏。

こういうやさしさに弱い私は、黙ってついていきます。

 

不安ながらも、しっかり安全運転だけは続けてくれた。

メンバーにも恵まれ、チュニスまでなかなか楽しいルアージュ・ライドでした。