今は無きカフェ・チューリップ
チュニスのカフェ(カフワ)はどこでも一緒なので、家の近くの安価なところに常連になると思います。
私の家はバーブ・ハドラという超シャアビー(庶民的)地区にあり、回りのカフェは
シーシャ汚れで黒くかつ暗いところが多いです。
ところが5分だけゴールデンチューリップ・ミシュテルというホテル方面に歩くと、
若干マシなカフェがある、いや、あったのです。
カフェ・チューリップという名前で、完全に目の前にあるホテルの名前に
あやかっているのが丸見えのカフェでした。
コーヒーが安いのに敷地が広く、面する道路も開けているため外にイスを並べることもでき、
大人数で集まりたい周辺の学生や省庁のおじちゃんの溜まり場となっていてました。
あの値段でWifiや大きいテレビがついているカフェはほかに無く、ご多分に漏れず私もよく通っていた。
ここは、アジア人の女の子が大好きなカレドがウエイター、もくもくとコーヒー係のナオフェル、
会計に真面目なマハディだったかなんだったかがメインでいて、接客も気持ちが良かった。
こういう人の居つくカフェは出会いも多く、私はここで多くのカフェ友を作りました。
労働させ省の人、チャドの大金持ち兄妹、ドライバーの兄ちゃん、日本にいる友達のおじさんとばったり出会うなど、開けたアラブ的スペースなのもとっても楽しかった。
ところがある日土曜日に行ったら、このカフェが閉まっていた。
今日は休み?とおもって次の週毎日通ったけれど、一度も空かないので、
隣のパン屋に聞いてみたら
「オーナーがLacにカフェを開くから、こっちは閉めたんだって」
とのことだった。
ショーっく、ちょうどいいカフェがなくなってしまった。
その後1週間だけなぜか開いたけど、やっぱりしまって今は新聞紙で
中が見えないようにされたまま放置。
店員のお兄ちゃんたちは、アパート込みで働いていたので、
そのまま追い出され散り散りになったというのがあとあと聞いた情報でした。
町でカレドにばったりあったら、にやにやしながら
追い出されたへへへ
と話していた。
夜中に寄ると、家までの道が物騒で怖いのでいつもカフェを出てダッシュしていたのですが。
それを見た横のハヌートの兄ちゃんが心配し、時々送ってくれるようになったのも今は昔。
つぶれたカフェの前を通るたび、ああここでお茶して帰りたいとかんじる。