NABEUL
リゾートとして有名なハマメットからは車で15分、チュニスからは1時間半ほどという日帰りの小旅行にもってこいのここナブール。アラビア語ではネーブルと発音されるこの町は、夏は日差しの強い海辺の町だ。しかし、他の町と比べて観光できる場所というのは少ない。ここで何が有名なのかといえば、美しくかわいらしい陶器。これを買い求めに外国人はもちろん、多くのチュニジア人がこぞって足を運ぶ、ここは観光できる産業の町なのである。
旧市街
ナブールには海を求めて多くの観光客が郊外の高級ホテルへ滞在するが、誰しもがわざわざここへ訪れ買い物をする。ここがネーブルのスーク(市場)である。ここでは陶器はもちろん、チュニジアの民芸品が数多くそろえられており、首都のチュニスと比べても割と良心的な値段で販売されている。中には値段表記がされてあったり、値札が付いていたりと、値段交渉の心配をせずに買い物を楽しめるお店も増えてきた。観光客用のみやげ物やにとどまらず、街の人が憩うカフェやレストランも旧市街地内にある。陶器選びに疲れたときはなかのカフェで一休みするのも良いかもしれない。
陶器
コレを買わなければネーブルに来たとはいえない。国内で最も有名な陶器、ネーブル焼きはやはりネーブルで購入するのが一番良いであろう。品質、種類、値段どれをとってもやはり現地購入に越したことはない。元は17世紀にスペインからわたってきたアンダルシア人が広めたものであり、過去のものと比べて強度が増し、色が鮮やかになった。現在でもその技術は引き継がれており、今日まで多くの人に愛されている。
各都市の陶器商人たちもここネーブルに訪れ商品を購入し、各都市で販売している。そのため他の地域よりも色や形、デザインなど圧倒的に種類が多い。チュニジアの建物に使われるタイルもあれば、飾り用の絵付け陶器、チュニジア料理に合う大皿小皿もある。
単品でも購入が可能であり、小さい取り皿であれば一枚3ディナールから、料理を出す大皿であれば8ディナールほどから購入が出来る。しかし、セットで購入すれば格段に安く購入が出来る。セットだと大抵5人前で2,3種類の取り皿と大皿がセットになっている。工房が近いためか、いわゆるアウトレット商品も売られている。色の薄いもの、セットのあまり、若干ゆがんでいるもの、人気の出なかったデザインなど理由はさまざまであるが、どれも1ディナールから販売されているので陶器の専門店で探してみるのも面白い。
ビーチ
ここはリゾート・ハマメットの近くだけあり、海も美しい。夏場であれば、青い海、白い浜辺が続き、陶器探しだけのために訪れるにはもったいない。
ビーチは旧市街から少し離れているが、荷物が多くなければ歩ける距離にある。ホテル内のビーチでなくとも十分に楽しめる遠浅の海と美しい砂浜が広がる。夏真っ只中の繁忙期でもはまめっとと比べるとさほど混雑していないビーチであるので一度泳いで見てはどうだろうか。
オレンジ
恵まれた環境によってナブールは3月にオレンジ祭りを開催するほどのオレンジ産地である。
旧市街内でもいたるところにオレンジが飾られており、カフェやレストランのテーブルの上にもお皿にオレンジが載っている。(食べたら料金に追加される)街中にオレンジの沢山載った台車があれば、それはフレッシュジュースを絞ってくれるということ。強い日差しに疲れたときはオレンジ生絞りジュースを作ってもらおう。カフェでも飲むことが出来る。
フラワーウォーター
チュニジア人の生活にとって欠かせない花の蒸留水、オレンジフラワーウォーター。3月の終わりから4月にかけてナブールを訪れると、蒸留工場からさわやかな花の香りが漂っていて最高に心地良い。チュニジア人はこの時期にナブールのフラワーウォーターを1年分買い込み、熱い時の熱さましに使ったり、コーヒーに入れて香りを楽しんだりする。化粧水に入れたりしてもよく、小さい容器に入っているフラワーウォーターはおみやげにも最適。
道端にぽこっと置かれたフラワーウォーターも、お店におしゃれに陳列されたフラワーウォーターも中身は一緒。チュニジアにきたら絶対試して欲しいナブールの香りの贅沢。