シディ・ブ・サイド

Sidi Bou Said

チュニジアの首都チュニスよりほど近い位置にある丘の上にたたずむ街、シディブサイド。
青と白に統一された美しい街並みは統一された青と白の建物に重なり「チュニジアで一番美しい街」と言われ、毎年多くの観光客が訪れる別世界の観光スポットである。
街自体は決して大きくないのだが丘の上にあるため地中海を見下ろすことが出来る。
街中には、お土産物屋さんやレストラン、カフェがあり、ゆっくりのんびりした時を過ごすのに最適。
また、直接丘の上からシディブサイドのヨットハーバーやビーチに直接降りることもでき、
夏になれば、海遊びや海水浴を楽しむことが出来る。チュニスからも、カルタゴ遺跡群にも近い。
カルタゴの遺跡を見学したあとは、この美しいシディブサイドでゆっくり散歩、のんびりした時間を過ごすが定番コースだ。

シディブサイド
シディブサイド
シディブサイドの歴史

シディブサイドの歴史は紀元前8世紀頃、カルタゴ文明の始まりまでさかのぼる。
ここから程近い、カルタゴにてフェニキア人が新しい文明を起こし、そこを中心に発展していった。
この小高い丘には灯台が設置され、町ができ、航海の目印になったと言う。

ローマがカルタゴに入植した後は、シディブサイドの地にもローマの町が築かれた。
現在もローマ時代のモザイクが残されており、当時の面影を残している。

その後11世紀頃、アラブ勢力がチュニジアの地に入る。
当初シディブサイドは北東部海岸の防衛の地に適しており、監視党と灯台を作ったと言われている。
12世紀になりスーフィー教の導師、聖者アブ・サイドが引退、このシディブサイドに入る。
彼はカルタゴの丘の上にスーフィー教のリバトを建設。海の見張りと布教のためのものであった。
アブ・サイドの死後、現在カフェ・デ・ナットがある付近に埋葬された。
彼の別名が「シディ・ブ・サイド」であったため、そのまま彼の名前がこの土地に残ったと言われている。

20世紀以降、景観保護の政令により、無秩序な建物の建設が禁止され、青と白に統一される事となる。
こういった措置はシディ・ブ・サイドが世界で初めてとられた。

今もシディブサイドの地はチュニジアの高級別荘地として多くのチュニジア人の憧れの土地となっている。

シディブサイドの見所
ハビブ・タムール通り-Rue Habib Thameur-
シディブサイドの丘への入り口に当たるロータリーから真っ直ぐ丘へ上っていく通り道がある。
この通りがハビブ・タムール通り。
急な勾配になっているため、登っていくのは少し大変。
しかし登るにつれて青と白の世界が広がり、周りにはお土産物屋が増えてくる。
登り疲れてふと後ろを振り返れば、青と白の美しい建物に挟まれた麓の街並を見渡すことができ、疲れを忘れてしまうだろう。この景色を楽しみながら、通りに広がるお土産屋を見て回るのが、このハビブ・タムール通りの魅力である。
お土産物屋さんが広がるハビブ・タムール通り
お土産物屋さんが広がるハビブ・タムール通り
ダール・エル・アンナビ-Dar el Annabi-
ハビブ・タムール通りの坂を登っていく途中にダール・エル・アンナビ博物館がある。
ここは20世紀頃に建てられた豪邸を改装、再装飾し一般公開している。当時の様子を見学することができる。
アラブの建物は外観からは想像できないほど中は派手で豪華になっているのが特徴。美しい中庭を抜け、建物の中には豪華に着飾った人形が配置され、当初の生活が再現されている。
部屋は様々なアンティーク家具や食器が並べられ、壁にはアンダルシア風のタイルが張られている。
部屋数も多く、建て増しされ続け現在は50部屋にも及ぶ。

この博物館にはタイムスリップしたような世界が広がり、当時のアラブ世界の様子を楽しむことができるだろう。

ダール・エル・アンナビ
ダール・エル・アンナビ
カフェ・デ・ナット-Cafe des Nuttes-

シディ・ブ・サイドのメインストリートを登りしばらく進むと真正面に見えてくるのがカフェ・デ・ナットだ。
ナットとはゴザを意味するが、その名の通り建物の中に入ると靴を脱いでゴザの上に座るといったくつろぎモードでお茶を楽しむことができる。

カフェ・シディ・シャバーン-Cafe Sidi Chabaane-

シディ・ブ・サイドのメインストリートをゆっくり進んでいくと、右手に海が見える小さな広場に出る。
その広場の下にあるカフェがカフェ・デ・シャバーンである。
このカフェから見る地中海の眺めは最高。どの席についても海を臨める。
シディ・ブ・サイドの代表的な写真ポイントの一つとなっている。

美しいシディブサイドのカフェ
美しいシディブサイドのカフェ

 

バンバローニ

カフェ・デ・ナットを正面に右へそれるとすぐ左手に小さなドーナツ屋がある。海辺の町には一件はあるこの揚げドーナッツ、このドーナッツはバンビローニと呼ばれる。
あげたてのドーナツに砂糖をまぶす、シンプルなものだがあげたてがとてもおいしい。中はもちもち。
お値段も良心的で、一つ700ミリームほど。シディ・ブ・サイドで小腹が空いたら是非試してほしい。

 

アラブ地中海音楽博物館

シディ・ブ・サイドを愛した男爵、ロドルフ・デルランジェ氏の邸宅を利用した博物館。
楽器コレクションや、当時の邸宅の様子をそのまま伺うことができる。
この博物館はコンサートなどにもよく使われるほど広く、建築様式も見もの。

アクセス

チュニス市内からタクシーで約20分 約10DT
チュニスマリン駅よりTGMで約30分 Sidi Bou Said 駅で下車

観光マップ