黄色いバスに寄せる想い

チュニスの闇をそのまま抱えて走っていると言っても過言ではない、黄色いバス

チュニスは都会ですので、通勤通学のため、公共交通はしっかり張り巡らされております。

もちろん発展途上国だから、とまるとかなんとかは頻繁にあるのだけれど…

 

活動的なチュニスっ子は、どのバスに乗ればどこに行くか結構把握していますが、

外国人にとってこれがとても難しい。番号も無数にあり、行き先が控えめにしか書いてない上

見にくいアラビア文字、なんとものりがたいのです。

かろうじて6番までしかないメトロは、把握できるけど

バスともなれば、聞くしかない。

 

チュニスっ子が切っても切れない腐れ縁的なかにあるのが、黄色いバスです。

一番安く、一番無賃乗車が多く、一番多くチュニス中を走っている、ボロボロのバス。

できればタクシーがいいけど、高いから、あそこに行くには黄色いバスしかないっというパターン。

チュニジア語でカール・アスファルといい、この言葉を発すると何故か失笑する人多し。

乗りたくない、なのに乗らざるを得ない、乗ってしまう、そんな憎みきれない黄色いバス様なのです。

 

とても黄色いバスらしいニュースがありました。

 

「誰かを待っている」ため、バスを止めた運転手の取調べ開始

 

タイトルからしてえって感じだけど、中身はもっと馬鹿馬鹿しくて、

どうやら黄色いバス20番の運転手が、ルート外れの場所で10分間、

誰かを待って止まっていたらしく、乗客がそれに抗議。

バス会社SNTRIが運転手との取調べを開始するとかなんとか、、

 

シメは、バス会社SNTRIが市民に向け

「こういうことがあったら、必要な行政処理するから、ちゃんした説明くださいね」

と言った、というもの。

多分、裏を返せば、証拠不十分な場合動くつもりありませーんというメッセージでございます。

 

私たち外国人は乗る必要のないものだけど、実は空港から市内に出るのに一番安いのはこの

黄色いバス…何十円かでチュニスに出れる賜物です。

やっぱり何故か、切っても切れない存在。