ハビース、サンゴール、ムハフ そつのない人々

学期が終わったので、私の17時以降はぽっかりと時間が空くようになりました。

日の出ているうちにフリーの時間が平日に与えられているのは、春休みから2ヶ月ぶりなので、

爽快感がでてつい買い物に出てしまった。かごいっぱいに買い物すると流石に途中で疲れ、

普段座らないカフェで休憩。

 

夕方6時くらい、仕事終わりのおじさんなどでカフェはいっぱいで、私のテーブル席に

30代くらいの穏やかそうな人が、相席をしてきた。

私は携帯で日本のツイッターのまとめなどを見ていたけれど、穏やかそうな人は

気にせず話しかけてくる。

む、話をしたいタイプだったか…とおもい、でも日本のツイッターのまとめよりは有意義かもしれないから、

とりあえず、はなしてみる。

 

30代おにいさんは、スース在住のエンジニアで、時々仕事がチュニスであると家を借りながら働きに出てくるのだそうだ。

おにいさんは、

「チュニスには友達がいないんだ」

という。

スースは人がいいけれど、チュニスの人はどうもずる賢く、計算高いので、信用が置けず

友達になりにくいのだそうだ。

 

チュニスで生活していると頻繁に聞く言葉、ハビース(khabith)。これを思い出す。

ハビースは、ずる賢い、あくどい、腹黒い、意地汚いのミックスのような意味で、

大変ネガティブだけど、チュニスにハビースな人がいすぎるので、よく聞く。

チュニス人は人間関係やお金に大変あたまを使うから、人間トラブルが大変多い。

 

また、ハビースよりはすこしいい言葉で、サンゴールまたはムハッフというのがある。

主に賢い、頭の回転が速い、といった意味で、ポジティブにも、ネガティブにも使う。

人との関係の文脈でうまいことを言うと、

「おっ君、ムハッフ」

といった具合に使う。

 

生活の中で、本気でハビースな人とも出会うし、やたらサンゴールで駆け引きのうまい人が多いので、

日々人間関係たいそうを強いられているような感覚に陥ることが多いです。

チュニジアから出ると一気に人が素直になるので、身構えなくて良くてある意味楽になるな、と

出国のたびに思うのであります。