ひとり暮らしをする
チュニジア人と自分はここが違う!と思った点で大きいのは、一人暮らしへの価値観です。
フランス語のクラスで一緒の銀行マン、マルウェンは、珍しく未婚男性の一人暮らし。
親がチュニスにいながら、自分でアパートを借りています。
感覚的に言うと20人あって2~3人くらいでしょうか、ちゃんと一人暮らしの人。。
女性だともっと少ないです。
地方から出稼ぎに来ている人は、たいていシェアハウス。一人150DTぐらいを払って、
パッサージュなどの中心で古いアパートに3~4人で住んでいます。
マルウェンがいうに
「チュニジアでさ、親が近くにいるのにひとり暮らしなんて言ったらさ、あれでしょ、社会の目がなんとなく…恥みたいな」
恥にあたるアィーブという言葉がありますが、やはり家族のきずなのまだまだ強い国ですから、
あれをするとアィーブだの、なんだのというのが結構あるんですね。若い人の一人暮らしも、アィーブの一つ。
マルウェンはそれを気にして、親の家からほど近いアパートにしたようです。
日本人は特にシェアをする人も少ないので、社会人になったとたん一人になり、自立しますが、
そういうのはチュニジア人の目から見ると「ちょっとさみしい」みたい。
一人で住んでる、っていうと、「はやく誰か見つけたほうがいい」と言われること請け合い。
これは恋愛の形にも大きく影響します。
若い男女は実家から通い恋愛。婚前の同棲とかはラマルサとかのヨーロッパ化したチュニジア人でないかぎり、あり得ません。
これ、結構大変だと思う。私が中心部で一人で住んでいるというと、
「彼女と使いたいから貸してほしい」
と言われたことがある。(断固拒否しました)
私が楽に遊びに行ったりする人は一人暮らし組が多い。
人といっしょなんて我慢できない、というところの価値観が似てるので…
人の暮らしのスタイルは、見ていて面白いものですが、やっぱり自分のスタイルに
似ている人と交わるのが楽なのだな、と思うのでありました。