テーブルの穴
昔々、寒い国イギリスに留学していたころ、友達もあんまりできず外も暗いし孤独でした。家に籠ってコーヒーを入れ、安いビスケットを食べるのだけが楽しみだった生活。このころの名残はカフェイン中毒として残りました。
チュニジアはコーヒーを大量に消費する国で、ありがたすぎるほど安い(最大限に高くても300円くらい)ので、1日に3回はカフェに行っています。また、インスタント友達とインスタント会話をするのもよい。
ただ、来た当初からあることがすごく気になっていました。どこのカフェでもテーブルが完全な平面でなく、ぼこぼこしている。
なんだか黒いへこみがいっぱいあるんですよ。ほくろみたいにてんてんてん
普通の人はすぐ正体に気づくと思うんですけど、私、結構無垢でしたので、気づくまですごく時間がかかった。
ショックですがこれ、タバコ消した跡。。
チュニジアはカフェイン中毒に加え喫煙率も結構高いと見受けますが、携帯灰皿ものを持っている人がほとんどいないので、
所かまわず吸い、アツアツの火の部分をズィっとその辺に押し付けちゃう。物は使うためにあるんだから、みたいな精神なんでしょうか。
被害者はテーブルだけではない。良さげなカフェの高そうなソファーも穴がポコポコ空いてるし、車のシートなんかにも普通に押し付ける。しかも一度傷つけば『ここはOK』というサインとなるのか、こんな大クレーターも出現
一番ビックリしたのは最近まで住んでた前の家。新築のハズなのにバスタブの数か所が茶色くへこんでおり不思議に思っていた。
あまりに洗面台の水の流れが悪いので、排水溝を開けてみたら大量の吸い殻が出てきたことにより、大工の兄ちゃんが仕事しながらタバコふかし、パスタブで消していたということが判明、というか容易に想像できた。
日本のカフェでバイトしてた時に、喫煙席に灰皿を置き忘れ、それに気づかず火をつけて吸い始めてしまったリーマンが、
「お兄ちゃぁん?!ほぉら落ちちゃうよおお?!」
って言ったあのすっとんきょうな顔も忘れられないけど、少なくとも彼は私がダッシュで灰皿を持ってくるまで灰をキープしてくれていたよな、そんな思い出すらよぎる。
こんなことがあるもので、すごいな、家具を自分で買いそろえ始めてる今、喫煙者家よぶのやだな、こわいな、と思うばかりです。