潰れる

ブルギバスクールでアラビア語を勉強していた当時、私のクラスメイトにはイタリア人が多かったです。

4人ほどいるイタリア人のクラスメイトのうちほとんどはチュニジア料理(というかファストフード)が好きでなく、

チュニジア料理でないレストランを渡り歩いておりました。

「マシなピザすらない」と言っては、口にするもの一つ一つを批判しにかかる彼らを見て、美食の国おそるべしと思ったもの。

そんな彼らが毎週金曜日かならず行くレストランがありました。Al Khawaliというアウィナにあるシリア料理屋。

チュニス中のレストランを渡り歩く彼らが「リーズナブルで最もおいしい」と太鼓判を押す。

1人が友人の日本人とシェアハウスをしていて大変親日家だったこともあり、私らも時にシリア料理の会に参加していました。

 

大体ひとり20DTくらいでたらふくおいしい料理が食べれ、場所の悪さもあってか店内はガラガラ。

2階席もあり、いつもほとんど貸し切り状態。サービスも大変よく、あんなに安心感を持って行けるレストランはなかなかなかった。

 

 

そんな話も3年も前、私の中ではこのシリア料理屋はとっておきの場所で、何度も人を誘ったけれど

なぜだかそこまで行くのがめんどいなどの理由で却下され行かずじまい。

 

昨日、私の住む地域は24時間に渡る断水で、家にいるのがおっくうになり、この機会に突撃しようじゃないかとタクシーを飛ばし、ついに、期待を胸にシリア料理屋にいってきたのです。

 

土曜夜込み合う道路、少しずつ進み、前のようにピザ屋前で降り立ち足でレストランに向かと、

50m先にあるはずのレストランが、ない!

ないというか、穴になってる!!

あの落ち着いた空間は跡形もなく、無様でございます。

私はここで、なんか思い出が打ち砕かれたようなやるせなさを感じ、

目の前のサービスの悪いトルコ料理屋で、旧友にこの写真を送り

「思い出の場所はつぶれた」ことを伝えたのだった。

 

窯で焼いたパンとホンモス…最高のコンビだった。

また20DTでおいしい店を探さなければいけない。