近場で働こうとする

チュニジア人がチュニジアで職を探す場合、一番簡単に見つかるのがドカタ系、
その次は多分カフェやファストフード店ですが、
チュニスの飲食で働くのは簡単であると同時にとてもきつそうだというのも事実です。

たとえばサンドイッチ屋だと、大半の客がハリッサの好みの量、
サラダマシュウィヤ塗布の是非、など、各自違うし毎回言ってくれないため、
店のお兄ちゃんは好みをひとりひとり把握してなければなりません。
ハリッサ苦手なおじちゃんにハリッサを必要以上に塗ると、作ってる真横で辛い辛いと
文句言いながら食べて非常に迷惑をこうむることになる。

コーヒー屋でも同じで、ミルクの量とか、エスプレッソのお湯の量とかも、
おじちゃんたちこだわり強いので、覚えておかないと、
おいおいおにいちゃんいい加減に覚えて、となっちゃう模様。
お客の男たちはみな友達感覚なので、つい行き過ぎるのか、
よく店員と客で喧嘩してるところみますよ。
あれはあれでストレス溜まると思う。

そんなわけかわかりませんが、チュニスにおいて飲食店の若い店員の離職率はどうも高い。
いつの間にかいなくなってること多し。

それでちょっと不思議なのは、やめると隣のサンドイッチ屋で働いていたりする。
前の職場と近くて気まずい…とかはないらしい。
なんか見覚えあるお兄ちゃんだな・・・と思ったら今座ってたカフェの元店員が
横のレストランでピザ運びをしていたりする。

カフェでもなんでも、
チュニジア人同士でかすかな縄張り意識があるんじゃないかと思います。
シャアビーなカフェでも溜まってるおにいちゃんやおじちゃんの性質がなんとなく違い、
あのカフェは行くとか行かないとか、ここはいいけどあそこはダメみたいな
謎の基準が多い。
嫌気が差して、転職するタイミングで、近場で様子がなんとなく分かるところで
さっさと働こう、とするから、こうなるのかな、と思うのでした。