アラブ人の売り方と日本人の買い方

チュニスのブルギバ通りのカテドラル横に、小さなイベントコーナーがあります。
頻繁に展示販売会がやっていて、ふらっと通りがかりに、入っちゃうものです。

よくコフターンが売ってる。

メディナやこういう展示会でもっとも感じるのは、アラブ人はせつな的に売るのがうまい。
日本での買い物だったら、最近はもういいものであふれているので、説明を聞くより
手にとって吟味し、本当に欲しかったら買う、ができますが、チュニジアの場合そうはいかない。

あるときは、自作の化粧品を売る女の子と目が合い、男なのでこういうものに用はないので
通り過ぎようとする

「ムッシュー、ちょっと待って、こちらご家族にどうでしょう」
と声かけを欠かさない。

声かけられたら無視はできないのが日本人ではないでしょうか、

すみません、今家族にこういうのを欲しがってる人はいないので…と去ろうとしても
「ムッシュー、今は男もスキンケアの時代」

 
もう完全に適当でしょお姉さま?
クリームをぴちゃぴちゃ塗るアラブ男なんてチュニジアではあまりみたことがなく、
なんなら日焼け止めとかも塗らない、それでも肌の強い人が多い。アトピー人口すごく少ない。

私は日本人の切り札、ふんわり断る、で応戦
「あの、すみませんが私アレルギー体質なので、こういうのはちょっと・・・」
私、実際アトピーで、肌につけるものは処方してもらうので、本当のことを言っている。

ところが女の子、
「いや、もうアレルギーとかに最高。オーガニックでナチュラル。これで5DT!」

売る気しかない。相手のアレルギーの種類とか特に気にしない。売れればOKのこの姿勢。
わたしが何にアレルギーなのか、聞いて、それにどんな効果があるのかとかは
特にメンションしない。1回売れればよくて、丁寧に1人1人に合わせたケアでリピーター獲得、とかはない。

女の子は隣の店の子を援軍に呼んで、最高!!安い!ナチュラル!アレルギーに最高よ!!と繰り返している。
アレルギーを無視されるというショックで、思考停止。
気付いたら5DTのいらないクリームを、買ってた…
オリーブオイルにはちみつの匂いがかかったような、
これならオリーブオイルそのまま塗ったほうがよさそうな、クリーム。
使い切る気もしないしリピートもナシ。そんなことはあのおねえちゃんたちお構いナシ。
ちなみに1個買ったとき「え、1個だけ?」といったあのおねえちゃんを私は忘れない

目の前のものを売ってこそ正義なかんじ。
外国人目線だと、どう考えても裁縫があまいものでも「ベストクオリティーでうちだけ」
ということを欠かさない。

埃かぶりまくったお皿はなぜか「古さが良い。伝統的である。」
どこにでも売ってるかばんも「斬新なデザイン、チュニジアで一番いい皮を使用」
どうみてもメッキが「はい、純シルバーなので50DT」
と嘘800というかでまかせ満点というか、大変です。

これもアラブ商人の知恵でしょうか。

イマイチ成功しきらないのはこの辺にあるんじゃないかと思うんですが

もともと割りと物欲がないはずなのに、いつの間にかこの
でまかせにのっていろいろ買っている私は、結局いらなくなり
各地の友達にばらまいております。これは洗脳されやすい日本人?私?ならではなのでは
ないかと、、

あなたの住む国ではどうでしょう、世界の買い物のあり方が気になる。