2025年1月 初版 編集 TANAKA

広大な宇宙の星間戦争をテーマに、当時の最新技術を駆使して未来の世界を描いた映画『スターウォーズ』。その舞台となる広大な宇宙には、数多くの惑星が登場しますが、中でも特に印象的なのが、砂漠が広がる乾いた星、タトウィンです。スターウォーズの物語において欠かせないこの惑星のモデルとして、多くのロケ地が使用されたのがチュニジアです。

監督ジョージ・ルーカスのお気に入りとも言われるチュニジアは、スターウォーズと切っても切れない関係にあります。ここでは、スターウォーズファン必見のチュニジアのロケ地や、映画の裏設定などを紹介します。

チュニジアのスターウォーズ攻略、裏設定

  • 1,チュニジアとジェダイの騎士との関係
  • 2,チュニジアとスターウォーズの惑星の名前
  • 3,チュニジア、トズールにあるスターウォーズのロケ地「モス・エスパ」
  • 4,チュニジア、ネフタにあるスターウォーズのロケ地「ラーズ家その①」
  • 5,チュニジア、シディ・ブフレルにあるスターウォーズのロケ地「ジャンドランド荒野」
  • 6,チュニジア、マトマタにあるスターウォーズのロケ地「ラーズ家その②」
  • 7,チュニジア、タタウィンにあるスターウォーズのロケ地「奴隷居住区」
  • 8,チュニジア、ジェルバ島にあるスターウォーズのロケ地「モス・アイズリーの酒場」「オビワンの隠れ家」「トシ・ステーション」

1,チュニジアとジェダイの騎士との関係

スターウォーズの映画で欠かせない存在といえば、ジェダイの騎士です。ジェダイの騎士とは、「銀河を司るエネルギー『フォース』と光刃を形成する剣『ライトセーバー』を用いて戦う、銀河系の自由と正義の守護者」を指します(Wikipediaより)。このジェダイの騎士が必ずと言っていいほど着用しているのが、三角形のフードが付いた濃い茶色の袖のないマントです。彼らはこのマントをまとい、ライトセーバーを振り回す姿が印象的です。
実はこのマント、チュニジアの伝統衣装をモチーフにして作られています。チュニジアではこのマントを「バルヌース」と呼び、主にチュニジア南部地方(砂漠地方)の人々が冬に好んで着用します。バルヌースは、ラクダの毛や羊毛で作られた三角フード付きの袖のないマントで、元々は北アフリカ地域の原住民であるベルベル人が利用していたものです。この伝統衣装は、現在もチュニジアの文化として残っています。
スターウォーズのデザインがこのような伝統衣装からインスピレーションを受けていることは、映画に現実の文化と歴史が織り込まれていることを示しています。もしかすると、チュニジア南部にはフォースを持つ現代のジェダイの騎士が隠れ住んでいるかもしれません

2,チュニジアとスターウォーズの惑星の名前

スターウォーズの世界では、多くの惑星が舞台となって壮大な物語が繰り広げられます。その中でも特に有名なのが砂漠の惑星タトゥインです。この惑星はルーク・スカイウォーカーとアナキン・スカイウォーカーの故郷として知られています。また、水の惑星ナブーも人気のある惑星の一つです。
これらの重要な惑星の名前のモチーフは、チュニジアの都市名からきていると言われています。タトゥインはチュニジア南部の街タタウィンに由来しており、ナブーはチュニジア中部の陶器の街ナブールに由来しているとされています。特にタトゥインは、タタウィンから名前が用いられているのは確実です。これはタトゥインの衛星の名前からも分かります。タトゥインにはシェニニ、ゴムラッセン、ゲルメッサという3つの衛星がありますが、これらはタタウィンにある村の名前です。
さらに、タトゥイン星のグレート・ショット・ソルトフラット(塩類平野)は、北アフリカ・マグレブ地区の塩湖を示す言葉「ショット(Chott)」から名付けられています。これは、チュニジアのトズール周辺にある塩湖ショット・エル・ジェリド(Chott El Jerid)に由来しています。塩類平野はかつてタトゥインに存在した広大な海の名残で、乾ききった高密度の粘土の大地という設定ですが、これはまさにチュニジア南部の塩湖が現在の状態に至る過程と同じです。
スターウォーズの惑星名には、チュニジアの地名や風景が深く関わっており、これらの地名が物語に現実感を与えています。映画の世界と現実の地理が交差するこれらの名前の由来を知ることで、スターウォーズの魅力がさらに深まるでしょう。

3,チュニジア、トズールにあるスターウォーズのロケ地「モス・エスパ」

チュニジア南西部のトズール近郊には、多くのスターウォーズのロケ地が点在しています。その中でも特に有名なのが、ネフタ方面にある観光地「オング・エル・ジュメル」です。この場所には、スターウォーズ エピソード1に登場するタトウィン星の街「モス・エスパ」のロケセットが残されています。

通常、映画のロケセットは撮影後に撤去されることが多いですが、チュニジアではこのセットが保存され、観光地として親しまれています。モス・エスパを訪れると、まさにスターウォーズの世界に迷い込んだかのような感覚を味わえます。また、簡易的なお土産屋や砂漠キツネ「フェネック」を見せてくれる子供たちの姿もあり、観光地としての雰囲気が感じられます。フェネックと写真を撮る際には、チップを渡すことをお忘れなく。

さらに、モス・エスパから少し離れた場所には「ラクダ岩」と呼ばれるロケ地があります。ここは、エピソード1でダース・モールとクワイ・ガン・ジンが戦うシーンが撮影された場所として知られています。

一時は、モス・エスパが砂漠の砂に埋もれてしまう危機がありましたが、チュニジアのスターウォーズファンクラブが世界中から募金を集め、砂の撤去に成功しました。現在も、このファンクラブがロケ地の維持に取り組んでいます。

4,チュニジア、ネフタにあるスターウォーズのロケ地「ラーズ家その①」

タトウィン星のグレート・ショット・ソルト・フラット(塩類平原)にある水分農場の一つ、ラーズ家は、ルーク・スカイウォーカーが幼少期を過ごした場所として知られています。この外観セットは、チュニジアのトズール近郊、ネフタの村から少し離れた塩湖「ショット・エル・ジェリド」に残されています。

この広大な塩湖の中に位置するラーズ家の外観セットは、ルーク・スカイウォーカーが旅立つ決意をしたシーンの舞台でもあります。塩湖の中に孤立した外観セットは、そのまま映画のワンシーンを再現しており、訪れる人々に映画の世界観を強く感じさせます。

ラーズ家の内側、大きな縦穴住居のシーンは別のロケ地で撮影されており、この場所には外観部分のみが残されています。普段は乾燥しているため、塩湖内を車で移動し、ロケセット近くまでアクセスすることが可能です。しかし、雨が多く降ると塩湖はぬかるみとなり、車両での移動が難しくなります。足元が悪化するため、歩いて行くのも困難となる場合があるので、訪れる際は天候に十分注意してください。

5,チュニジア、シディ・ブフレルにあるスターウォーズのロケ地「ジャンドランド荒野」

シャンドランド荒野は、砂漠の惑星タトゥインに広がる広大な荒野で、その南側にはグレート・ショット・ソルト・フラット(塩類平原)が位置しています。このエリアは、ルーク・スカイウォーカーが幼少期を過ごしたラーズ家の水分農場がある場所としても知られています。

スターウォーズ エピソード4(新たなる希望)の撮影地の一つであるシディ・ブフレルは、現地で「スターウォーズ渓谷」とも呼ばれ、ファンには有名なスポットです。このシャンドランド荒野は、渓谷や洞窟、岩が点在する独特の風景が広がり、シディ・ブフレル周辺の地形と非常に似ています。この場所では、ルーク・スカイウォーカーがサンド・ピープル(タスケン・レイダー)に襲われ、R2-D2が連れ去られそうになるシーンが撮影されました。

特徴的な大岩は、映画の中でR2-D2が連れ去られそうになる場面に登場しており、現在もシディ・ブフレルでその姿を見ることができます。しかし残念ながら、その後の改訂版ではシャンドランド荒野の風景は全てCGに置き換えられてしまい、エピソード4のオリジナル版でしか見ることができなくなってしまいました。

6,チュニジア、マトマタにあるスターウォーズのロケ地「ラーズ家その②」

タトウィン星のグレート・ショット・ソルト・フラットに位置するルーク・スカイウォーカーの幼少期の家、水分農場「ラーズ家」。その外観セットはチュニジアのトズール近郊、ネフタにありますが、内部のシーンはマトマタで撮影されました。マトマタはベルベル人の村で、侵略者から身を隠すために地面に縦穴を掘り、その中を住居として利用していました。この特徴的な縦穴式住居の一つが、映画でラーズ家の内側として使用されたのです。

現在、この縦穴式住居は「シディ・ドリス」と名付けられ、ホテルやレストランとして営業しています。訪問者は、マトマタ独特の風景を楽しむだけでなく、スターウォーズ撮影時の雰囲気を体感し、実際のロケ地を見学することができます。「シディ・ドリス」は、スターウォーズファンにとって見逃せない観光スポットであり、映画の魔法や歴史的背景に触れる特別な場所です。

7,チュニジア、タタウィンにあるスターウォーズのロケ地「奴隷居住区」

チュニジアには、スターウォーズ エピソード1のロケ地として知られる魅力的な場所が数多く存在します。特に「クサール・ウレド・スルタン」「クサール・ハダダ」、そして「メドニンのクサール(ゴルファ)」は、映画内でモス・エスパの奴隷居住区として登場し、スターウォーズファンにとって必見のスポットです。

映画の舞台となった「クサール」とは?
スターウォーズ エピソード1では、ベルベル人が築いた伝統的な城塞「クサール」が、モス・エスパの奴隷居住区として使用されました。クサール(Ksar)は、穀物倉庫として古代の交易路沿いに建てられた建造物で、その独特な泥レンガ建築と歴史的背景が映画の世界観に見事にマッチしました。

クサール・ウレド・スルタン
メドニン県にあるクサール・ウレド・スルタンは、スターウォーズ エピソード1の重要なロケ地の一つです。この場所の多層構造と美しいアーチは、モス・エスパの奴隷居住区のシーンで際立っています。ここを訪れると、映画のセットそのものに足を踏み入れたような感覚を味わうことができます。

クサール・ハダダ
クサール・ハダダは、スターウォーズ エピソード1でモス・エスパの奴隷居住区として描かれたロケ地の一つです。このクサールは、化粧クサール(外観装飾が美しいクサール)が特徴的で、その独特な意匠が映画の異星的な雰囲気を引き立てました。ファンにとっては、スターウォーズの世界観をリアルに感じることができる特別な場所です。

メドニンのクサール(ゴルファ)
メドニンにあるクサール「ゴルファ」は、その規模と保存状態の良さで際立っています。このロケ地は、モス・エスパの奴隷居住区として使用され、映画内でルーク・スカイウォーカーが成長する環境の一部を描き出しました。スターウォーズの歴史に触れるには欠かせないスポットです。

8,チュニジア、ジェルバ島にあるスターウォーズのロケ地「モス・アイズリーの酒場」「オビワンの隠れ家」「トシ・ステーション」

最後にご紹介するのは、チュニジア南部に位置する地中海のリゾートアイランド、ジェルバ島にある3つのスター・ウォーズのロケ地です。これらの場所は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の初期シーンで使用されましたが、現在ではこれらの場面の多くがCGに置き換えられています。そのため、知る人ぞ知るコアなファン向けのロケ地といえるでしょう。

1. シディ・ジュムール・モスク(Sidi Jemour Mosque)
ジェルバ島北西部グルア(Groua)の地中海沿いにあるこのモスクは、トシ・ステーション(Tosche Station)のロケ地として使用されました。トシ・ステーションはタトゥイーン星のアンカーヘッド近郊にある電力分配ステーションで、地元の若者たちが集まる場所として描かれています。本編では名前のみ登場しましたが、のちに特別版で一部シーンが追加されています。ルーク・スカイウォーカーもこの場所を訪れる若者の一人として描かれています。

2. オビ=ワン=ケノービの隠れ家
ジェルバ島南西部アジム(Ajim)の地中海沿いにある小さな建物は、映画でオビ=ワン=ケノービの隠れ家として登場します。この家は、オビ=ワンがシャンドランド荒野でジャワ星人に襲われていたルークを救った後、彼を連れて訪れる場所です。また、映画の中でも重要な場面が繰り広げられる拠点の一つであり、クローン戦争後に「ベン・ケノービ」と名を変え、20年以上もルークの成長を見守りながら隠れ住んだ場所でもあります。

3. モス・アイズリー宇宙港の外観
アジム村内にある一画は、タトゥイーン星最大の宇宙港であるモス・アイズリーの外観として使用されました。この場所は、映画ファンにとっても特に象徴的な場所の一つです。劇中ではルークがハン・ソロやチューバッカと運命的な出会いを果たしたカンティーナ(酒場)の外観が撮影されており、その風景はモス・アイズリーの街全体の雰囲気にもつながっています。スター・ウォーズファンの間では、このカンティーナで起きた出来事について多くの議論が交わされる、非常に有名な場面でもあります。

ジェルバ島のこれらのロケ地は、スター・ウォーズの歴史を感じられる貴重な場所です。映画の舞台裏を体感し、作品世界に浸る特別な体験をぜひお楽しみください!

チュニジア、スターウォーズのロケ地、その他裏情報などの情報はいかがでしたでしょうか?
スターウォーズファンは是非、チュニジアのスターウォーズのロケ地巡りに挑戦してみてください!

TRAVELSUNでは、スターウォーズに注目したスターウォーズコンプリート2日間ツアーや、チュニジアの魅力にスターウォーズのロケ地を加えたアレンジプランをご用意しております。
アレンジプランとしてご希望に合わせたプランを組むことが出来ますので、お気軽にご相談ください。