チュニジアの交通手段
チュニジア国内では主にタクシー、メトロ、鉄道、バス、ルアージュが交通手段として挙げられます。
タクシーは流れているのを捕まえるのが主流です。メトロは市民の足で安い運賃ですが走っているのはチュニス市内、スース市内の2都市のみです。
鉄道は都市間を移動する際に利用します。
バスはどの町にもあります。街中を走るものと、都市間を結ぶものとあります。
ルアージュは乗り合いタクシーです。ルアージュステーションに止まっており、料金は行き先により一律、定員が集まり次第出発です。
以下各交通手段について詳しくまとめましたのでご覧下さい。
- タクシー
チュニジアのタクシーは黄色い車です。車種は色々ですが4人から5人乗りのプジョーやシトロエンなどが多いかと思います。どのタクシーにも必ず車の上に番号を載せた白い看板をつけています。つけていない場合は仕事中でないタクシーまたは忘れている、または怪しいタクシーです。
空車の際は緑色のランプ、乗客中の際は赤いランプが運転席付近についています。でも光の関係でランプが見えないタクシーも多いので、タクシーが通ったときは手を上げてタクシーといいましょう。とまってくれます。
日本と同じくメーター式、初乗り450ミリームからで30分ほどかかる遠いところへ行ってもなかなか安くて便利なものです。
夜間(21時~5時)は割増料金で5割り増しとなっています。
朝の通勤時間、夕方の帰宅時間、お昼時などラッシュアワー時には捕まえるのに一苦労です。皆さん箱詰め状態のメトロやバスを嫌い、片っ端からタクシーはお客に捕まります。外国人にかぎらず、この時間はチュニジア人も同じように苦労しているようです。
また、空車でも断られる場合もあります。ご飯食べに行く途中だからダメ、近い距離だからダメ、そっちの方向は行かないからダメ、奥さん乗せて帰るからダメ、など、理由は色々。
基本的にタクシードライバーはタクシー業務において決められた事項を守らねばなりません。上のように客の行き先を断ることは厳密に言うと違法です。また、業務中の喫煙も禁止、ジーンズ、Tシャツ、サンダルなどラフな服装での運行禁止、グラスに入っているコーヒーの持ち込み禁止(紙コップならOK)など、厳密には規定があります。明らかに不条理な際はタクシーの番号を控えたり、近くで交通整備をしている警察に訴えることが出来ます。その場合、タクシー運転手は250ディナールの罰金を支払わなければなりません。ただ、革命以降は人々のモラルも低下し、ある程度の自由が認められています。そのため運転手が客を選ぶなど不条理なことが発生していますが、理不尽な際はもちろん警察に言っても構いません。
しかし、日中は普通に道路でタクシーを捕まえることができます。行き先を言えばメーターを普通に動かして連れて行ってくれるでしょう。ただ、チュニジアのタクシー、日本のようにナビはついていないので住所を行ったり、あまり知られていないところを目的地にするとどこだかわかんないからダメ!といわれたりします。ですのであらかじめ、街の名前や目的地に近い名の知れた場所を調べておきましょう。ちなみに、田舎でのタクシーは数が少ないので乗り合いが出来るらしいです。タクシーが来たら空車でなくても手を上げて拾ってみましょう。
ちなみに、チュニスの空港から出るためには、旅行会社の送迎を申し込むか(トラベルサンでは空港送迎のみでも受け付けております)、チュニジア人に車で迎えに来てもらうか、頼りないバス、タクシーしか手段はありません。しかし、空港でのタクシードライバーは行き先によって遠慮解釈なくお客を乗車拒否したり、メーターは使わず料金は定額制だの、荷物量が別途いくらかかるだの、お客を選ぶようになりました。本来はメーターに表示された料金と、チップ(1ディナールほど)、もしもスーツケースなど大きめの荷物があれば荷物料としてチップを多めに渡すのみでいいです(法律では一応大きい荷物一つで500ミリームと決まっていますがほとんどの人は取りません)。どうしても空港のうさんくさいタクシーを使いたくないけどタクシーがいい!という方は、空港から出て左斜めに3分くらい歩けば、流しのタクシーがいます。安全上あまりオススメしませんが、はずれが少ないです。中心までの相場は3ディナールから5ディナールの間。
- メトロ

チケットには発券駅の番号と日時日付が刻印されておりそのままプラットフォームに入ることが可能です。改札はありません。ですので切符を買わずに乗車するチュニジア人は少なくないですし、まぁ事実上は可能です。大きい駅でない限りほとんど乗車前に駅員にチケットを見せるという機会はありませんが、たまに突然メトロが止められ運転席から乗務員が何名か出てきて(私服)抜き打ち切符チェックが行われる場合があります。キセルを行った場合はその場で下ろされ罰金26ディナールの支払が決められています。のでやはり買いましょう。たまに切符購入窓口に誰もいない場合がありますが、それは単なるトイレ休憩やタバコを買いに行っているという理由なのでほかに窓口がある場合はそちら側へ、どちらにも人がいない場合は数分待てば戻ってくるはずですので必ず購入しましょう。車内アナウンスはありません。また、駅のホームに駅名が分かりやすく表示していない場合が多いです。あらかじめ自分の乗った駅から目的地が何駅先なのかを車内の路線図で確認し、自分が何駅目にいるかを数えて下車しましょう。
- 電車 TGM
チュニスからラ・マルサへ向けてピストン走行している電車があります。Tunis Marine – Goulette – Marsa Plageこの頭文字をとって『TGM』。距離は、18.7 km。所要時間は約45分。大体30分に一本ほど出ています。こちらもメトロ同様時刻表はありません。始発も5時ごろの早朝から、終電も23時ごろまであります。以下TGMを乗る際の注意点です。メトロと同様です。・駅のホームに、駅名が分かりやすく表示されていない
・エアコンがないため、夏は非常に暑い
・週末の夜は酔っ払いが多く、からまれることがある
・混んでいる時は、痴漢やすりにあうことがあるのでご注意ください。

電車は2両編成で1等車と2等車があります。分かれているとはいえ、車内はほとんど変わりません。特別綺麗というわけでもなくちょっと椅子がやわらかいかな?という程度です。最近はテロ対策のため、ヨーロッパ・アジア観光客には1等車をすすめ、チュニジア人は必然的に2等車としているようですが、正直どちらの切符も値段的にあまり変わらないですし、乗り換えることも出来るのであまり効果はなさそうです。こちらもメトロ同様、車内アナウンスはございません。駅を数えて降りましょう。
心配される皆さまへ、TGMの主要駅名をご案内します。
「かの有名なカルタゴを観光したい!」という方は、CARTHAGE HANNIBAL駅で降車、「美しい白い壁青い扉の町、地中海を臨むカフェでお茶でも!」という方は、SIDI BOU SAID駅で。「浜辺の高級住宅地、ヨーロッパ文化の交差点で散策!」という方は、終点LA MARSA駅で降車下さい。
- 鉄道
国内の鉄道はSNCFT(Société Nationale des Chemins de Fer Tunisiens)がチュニスのチュニス・バルセロナ駅を起点に5路線を運行しています。旅行者にとってはこのチュニスバロセロナ駅からスース、スファックスを経由してトズールまで行くルートがよく使われます。

チュニジアの鉄道には線によって特等、1等、2等があり、2等車の料金は長距離バスとほぼ同じ。1等は2等の2割増し。乗車してから切符を買うと違反になり、倍額支払いとなるので注意が必要となります。
- バス
★市バス
これは黄色いのが特徴です。市内ではメトロでいけないようなこまごましたところまで行けるのがこれです。バス停も黄色。朝夕はこんな人数がバスに入るのか?というほどに人が待っている駅もあります。ただ、出来ればお世話になりたくない。というのも、まずかなり待たなければいけないことが多い、そして車内の治安が悪いです。チケットは電車後部の乗り口から購入、降車の際は運転席の横、前方の扉から降ります。観光にはあまり向いていませんが、学生や社会人などにとっては重要な足の模様です。
★TUS
白地に緑や青のラインのついたバス。こちらは郊外の町間の移動に使うと便利です。バスの前方に行き先の町名が書かれたプレートが置いてあるのでその方面へ行く際はこれを使うと便利でしょう。こちらは日本の遠足で使うようなシートがずらっと並んだバスです。料金はどこで下りても一律。チュニスからラマルサは1.4ディナール。比較的、綺麗。
★長距離バス・夜行バス
時間帯が遅いことが多いのでほぼ夜行バスです。本来は冷房暖房付で快適のはずなのですが、車の調子によりなんともつかないことも・・・チュニスから南部までは休憩が1回のみあります。トイレ休憩や軽食を購入しましょう。日本の長距離バスと比べてはいけませんが、チュニジアの中で比較的安心して利用し易い手段の一つであるかもしれません。ただし、貴重品管理にはご注意を!
- ルアージュ
日本人には聞きなじみのないこの乗り物はいわゆる乗り合いタクシーのようなものです。どの乗り合いタクシーに乗っても料金は目的地によって一律。各地にあるルアージュステーションで自分の目的地のルアージュに乗り、定員(大抵8人前後)になり次第出発。5分と待たないときから30分以上待つこともあります。ルアージュの運転手、かっ飛ばしていくことが多いですので高速恐怖症の方はやめましょう。あまり乱雑な運転だと乗客に運転手がなだめられます。たまにスピード違反で警察につかまることも。
★黄色いもの
こちらは比較的短距離のルアージュです。チュニス・ラマルサ間(一人1.3dt)などはこちらが電車よりも早くて安くていいでしょう。目的地まで1時間以内あるいはそれ前後の場合はたいていが黄色いものです。運転手のおじさんが必死で目的地を叫んでいますので自分の行き先方面のものに乗りましょう。乗車後に運転手に直接運賃を渡します。動き出してすぐだったり、動き出す直前だったり、一人が払いだすとみんなが払いだすのでタイミングをみて一緒に払いましょう。
★白いもの
こちらは中長距離(100km以上)のものが多いです。特定のルアージュステーションにて窓口で乗車切符を買い、自分の乗るルアージュの定員が集まり次第出発です。電車で行くのとかかる時間は変わりませんが、電車のほうが待つ場合があります。休憩は1回ほど。チュニスの大きなルアージュステーションはモンセフベイ(チュニス以南)、バーブ・サアドゥーン(チュニス以北)にあります。