お風呂事情

  • はじめに

日本人の生活には欠かせないのがお風呂。

我々は毎日入浴をしますね。毎晩大抵決まった時間帯に、夕食前後、仕事帰り、就寝前などその日の汚れを落とすだけでなく一日の疲れを癒す場所でもあります。

ところで、チュニジアでお風呂・・・は最初から期待していないかとは思いますが、どうなのでしょうか。


  • 入浴

あまり期待できません。チュニジアではもともと入浴文化がないため、浴槽が付いている場合ばかりではありません。星つきホテルでは客室にバスタブつきのシャワー付いていたりしますが、栓がうまく閉まらないためにお湯を溜めても流れてしまう、つかるほど温かいお湯がでない、バスタブが浅いなどなかなか入浴できる状況を作るのが難しい現状です。どうしても入浴して体を温めたい!という方は遠出して天然温泉を探すかスパへ行くしか選択はありません。


  • シャワー

これならばどこでも見つかります。よほど格安ホステルに行かない限りどのホテルにもシャワーなら付いていますし、どの家物件でも付いているはずです。注意する点としてはガス装置がきちんと付いているか、稼動するか。排水溝は詰まっていないかです。水をお湯にするガス装置ですが、チュニジアの物件、新旧問わず故障している場合があります。滞在を決める前にきちんと稼動するかチェックしましょう。壊れている場合、このガス装置だけの購入も可能です。排水溝は水が滞りなく流れるかを確認しましょう。シャワーは浴槽と違い、床との落差が少ないため、掃除をしたときの埃の混ざった水をシャワーの排水溝に流してしまう、ということは珍しくありません。ゆえにその埃が溜まり、詰まる。ということも。そして何よりも、チュニジア人は老若男女問わずあちこちの長めの体毛を剃ります。こちら参照下さい。そしてこちらのシャワーには日本の風呂場の排水溝のように毛が直に排水溝に流れることを防ぐためのネットやざるのキャッチャーなどが付いていません。そのため毛も埃もがんがん直接流れていきます。そのうちに流れが悪くなり、詰まってきます。これを防ぐためには髪の毛や掃除の水などを流さない、流れが悪くなってきたら即ラバーカップを使って流れを良くする、これに限ります。日本のように床下からパイプを点検して・・・何てことも出来ないので、壊したらおしまいです。シャワーの排水溝には気をつけましょう。


  • お湯を沸かす

チュニジア友人宅に泊まりに行くと、短期間ならまだしも3日以上だとお風呂なりシャワーなりしたくなります。しかーし、チュニジアの平均的生活をしている家庭の中にはお湯の出ないシャワーのついている家に住んでいる人が少なからずいます。と言うのも、チュニジアは乾燥しているためフロに入る回数が日本人と比べて圧倒的に少ないため、わざわざお湯を作り出すガス給湯器を壊れたところで買い換える理由も無く、無かったところで買うほど利用しないからなんですね。1年の半分は真夏のチュニジア、夏場なら熱いお湯でシャワーをする気もならないので水で体を洗ったり拭いたり。冬は汗すらかかないので毎日シャワーする必要なし!1週間に1回くらいハマムに行ってあかすりして温まれば十分!というところでしょうか。ゆえにシャワーからお湯が出なくとも生活できるそうです。私はやはり体質が汗っかきなので毎日シャワーしたい!冬でも3日に1回はしないと頭おかしくなりそう!でもシャワーからお湯が出ない!そんなときはお湯を作るのです。チュニジア家庭、どこでも大きい厨房鍋があります。パスタやクスクスを大量に作るためです。そこに水を入れ、コンロに火をかけ、沸騰させます。沸騰させたお湯を洗濯用たらいのようなものに入れて水で割り、適温にして桶ですくってお湯を使います。とっても原始的。でもこれなら日本より高めの水もガスも節約できて必要な人が必要なだけ使えるのでいいのかもしれないですね。ずっとこれをやるのは嫌ですけど。


  • ハマム

イスラム圏では良く耳にするハマム。ハマムってなに?という方。日本で言えばいわゆる銭湯のような存在です。チュニジア人にとっては生活には欠かせない、老いも若きもハマムはチュニジアでは蒸し風呂です。入るとその空間全体がスチームサウナのようになっており、その暑い湿気で汗をかき、洗い場に沸かされているぬるま湯で体を洗ったり、あかすりをしたり、出るころにはツルツルぴかぴかで体もあったまっています。システムは日本の銭湯と同じ。番台に入場料(2DTから5DT)を払い、脱衣所で服を脱ぐ。このとき注意するのが貴重品。もって行くものは入場料のみにしましょう。携帯電話や財布など貴重品は置いていかないこと。鍵付きロッカーはありません。そして、日本の入浴と違うのが、全裸で入らないということです。男性も腰巻タオルや海水パンツ、女性ならばビキニの上にキャミソールなどを羽織るといいでしょう。女性でも長時間いる人は上半身裸になっていますが、アジア人だとどうしても注目の的になり、容赦なく見られるので少し恥ずかしいです。(ので、私は水着のみ終始着用しています)シャンプーやあかすりなどは無いので個人で持っていくこと。実はハマムの中に数は多くありませんがいす2つ分程度の大きさの個室があります。そこには出の悪いシャワーといすがあったりなかったり、順番を待って中に入り、そこで裸になって体全体を洗ったり除毛をするなど、人前では出来ない処理ができます。ハマムに行く人の持ち物の中でケサというあかすり用の荒いタオルがあります。これはスーパーやスークや通りなどで1TDから買うことの出来るハマムでは必要なグッズです。これはハマムの中で汗をかき、体をぬらなさくともじめじめになっている体をこのケサでこするとアラ不思議、垢が消しかすのようにぼろぼろ出てきます。これは自分でも出来ますし、手の届かないところまで体全体ごしごしやってもらいたい!という方には、あかすり師にやってもらえます。2DTほどのチップを払えばOK。ちなみにハマム内にはマッサージ師もいて、荒いけど痛きもちいらしいです。持ち物はタオル、着替え、ケサ、入場料とチップのみ!ハマムは基本、男性専用か、男女が時間や曜日によって分かれている場所があります。扉の横に張ってある注意書きを見るといつ入ることが出来るのかわかりますので、近場のハマムはチェックしてみましょう。


  • 温泉

実はチュニジアには温泉が存在します。数は少なく、しかも交通手段の少ないところにあるのでなかなか行きにくいのですが、温泉自体の質はいいとかなんとか。ただし温泉の楽しみ方が日本と異なり、プールのように浸かったり、ハマムのようになったりと、日本のいい湯だな気分は味わえない。アウトドアアクティビティにおとずれるのもいいだろう。チュニジア内で有名なのが、水道橋で有名なザグアン(Zaghouane)にあるハマム・ズリバ(Hammam Zriba)、こちらは浸かって温泉を楽しめます。源泉は44度であるがチュニジア人は熱いお湯が苦手なため、かなり水が足されている。リウマチ、皮膚病、神経痛、呼吸器障害に効果あり。もう一つはコルブスにある。こちらにはいくつか源泉があり、一番有名なアイン・トロス(Ain el Trous)は海の脇から58度の源泉が湧き出ており、海水に流れ込んでいるため温度が丁度よくなり露天温泉を青空の下楽しめることが出来ます。リウマチ、皮膚病、静脈、婦人科に効果あり。こちらの二つともチュニスから直行で行ける交通手段が無いのでルアージュやタクシーを乗り継ぐか、あるいは車で行くしか方法がないのが残念。


  • タラソ

タラソテラピーは日本でもようやく聞くようになった単語らしいです。私はチュニジアに来るまで聞かなかった。これは海水療法の意で、海水を使ったジャグジーや海泥パックやマッサージなどと組み合わせたエステティックスパである。実はチュニジア、フランスについで世界第二位の規模で、5つ星レベルの高級ホテルでは備え付けのタラソセラピーを受けることが出来ます。もちろん、美容的なものであって上記の温泉やシャワーなどとは用途が異なりますが、半日から一日、ホテル宿泊客でなくてもタラソを楽しむことが出来ます。マッサージやアロマなどを楽しみながら優雅に体を癒すことが出来ます。チュニジアなら本場フランスや日本と比べて格安。